1-4 冒険ガイド

スタンスの例となる設定類

このゲームでは、PC達の所属は比較的自由です。
反面、全宇宙という舞台はあまりに広すぎるため、シナリオ傾向とキャラの所属によっては、
各キャラクターがそのシナリオに参加する必然性が薄くなりがちです。
そのため、ある程度の「理由付け」を行うための設定をここに特筆します。
必ずしもこのいずれかにキャラを当てはめなければならない訳ではなく、
適当に都合のいい設定を自分で作ったり、他人の設定に便乗したり、
何も考えず全てを偶然の産物とすることも可能です。


◆冒険者/探検家

殆どの場合、正式な職業ではなく趣味にあたる。
現代のそれと指す意味は概ね同様だが、旅先が惑星規模であることが最大の違いである。

この時代において、一攫千金を夢見て宇宙の冒険者となる者は多い。
一攫千金とまでは行かずとも、他惑星には各方面にとって魅力的な素材が多く存在しており、
短い時間で多くの収入を得られるのは確かである。
人材を管理し、依頼を斡旋する【冒険者ギルド】も幾つか存在しているが、
日が浅いからかあまりシステム化されておらず、職業冒険者にもフリーランスは多い。

基本的に、最初は依頼を受けずに未開発惑星を冒険し、取得物を専門家に売ったりしている間に
名が知られるようになり、依頼が舞い込む……と言う流れが多い。

虚数領域干渉技術の確立により、様々な惑星の大気組成、生命の有無などは
調査・公表されているが、まだ地球人類が宇宙に出て間もない時期であるため、
実際に人間がそこに降りて調査したことのある惑星はまだまだ少ない。
しかし、公的機関は広大な宇宙を探査し尽くすにはあまりに人材不足である。
故に、各国の政府や、様々な企業などから、アマチュアの冒険者に
【惑星上の詳細探査】や【固有資源の調達】を依頼するケースは多い。
依頼を受けずとも、そういった資源や植物、過去にあった文明の遺産などを持ち帰れば
高値で売れる場合もある。
しかし当然、事故死率はそれなりに高い。(現代の探検家も同じだが)


◆旅人

趣味などよりも生き様に近い。様々な理由から旅を続ける根無し草。
単なる旅好きや、インスピレーションを求める芸術家など好きでやっている者から、
無実の罪で故郷を追われたり、戦争や侵略で家を失い安住の地を求めている者など、多種多様。
本住居があっても殆ど戻らず、旅先に必要な期間だけ拠点を確保する者が多い。

星間移動にはやはり貨客船を使うのが主だが、一定の住居を持たず旅を生業とする者の中には、
小型の航宙艇を所有している者も少なくない。
ただし高価なので、多くは中古品を改修したり、
廃棄されていたものを自力で修理するなどして入手している。

【冒険者】と同様、惑星調査系の依頼の対象となる。
政府や企業からは、両者の差はさほど認知されていない。


◆来訪者

かなり特殊なケースではあるが、“元々この世界にいなかったはずの存在”がこれにあたる。
異なる世界や時代、鏡像宇宙の“反対側”からここに来てしまった者は、
何はともあれ元の世界に帰ることが最優先の目的となるだろう。
(その後の経験や過去の境遇によっては、そのまま世界に留まることを選択するかも知れないが)

即座に帰れない場合は、【旅人】としての生活を余儀なくされるだろう。
「自分は別の世界から来た」などと言えば、
多くの人には良くて冗談、悪くて妄想と取られるだけだろうが、
時空間力学や虚数物理学に明るい学者や、一部の高い立場にある者などは、
“最近そういった現象が多発している”事を知っているかも知れない。
仮住まいや、これからどうすべきかという指標くらいは与えてくれるだろう。


◆軍属

無論、各国軍にも宇宙調査を行う部署がある。
多くは空軍に所属する(米国空軍宇宙軍団など)が、慢性的な人員不足であるため、
他部署の人間(多くは志願者である)もよく任務に赴く。

民間への調査依頼において、比較的重要性が認められる依頼や、危険性が高い依頼などには、
依頼された冒険者たちに同行する事もある。


◆その他/一般人

危険な道は可能な限り忌避して生きようとしている一般人の元にも、
危険というものは得てして自らやってきてしまうものである。
普段から危険に近い人間なら、尚更のこと。
自分から動く理由のないキャラクターは、巻き込まれる。
心ゆくまで貧乏くじを引き続けることになるだろう。

そして巻き込まれた結果、居合わせた冒険者と共に事件を解決したり、
一人残されるのが嫌だからって遺跡探索に同行したりすると、
名声が上がって変な依頼が来るようになってしまうかも知れない。

移動方法

航宙艇などはまだ高価なため、自分用の乗り物を持っている者は多くありません。
恒星間移動には、多くの場合、地球の企業が出している定期/不定期航宙貨客船を使用します。
運賃は飛行機よりは高めですが、手が出ないほど高くはありません。
ちなみに、S.U.N.S.テレポート・ターミナル(駅)が設置された、
ある程度調査・開発済みの安全な惑星には、電車代程度で渡航(ワープ)することが可能です。

また、安全の保証されていない宙域には、ほとんど企業の貨客船は出ていないものの、
“運び屋”と俗称される非公式な個人稼業が存在しています。危険であるため、運賃はやや割高です。
また、不定期貨客船の一部には、ある程度の危険区域なら融通が効く場合もあります。

制限事項

現在、星間渡航や惑星開拓については、専用の法整備があまり成されておらず、
西部開拓時代めいた自由さがあります。
(多くの惑星はどの国の領土でもない事などが原因にある)

現地の知性体の殺害ですら、狩猟との区別(知性の度合いの判別)が曖昧なため、
それを制限する法律は抜け穴だらけで機能していません。
窃盗と採取の区別も曖昧であり、現地の法に触れなければ物品の持ち帰りは自由です。
なので、他惑星ではPC達の行動を咎めるものは(度を過ぎなければ)いませんが、
その惑星や国家、民族などに法律があり、それを侵害した場合は、現地の司法に従わざるを得ません。
現地でアウトロー宣言(殺害許可)をされるような悪人でなければ、
(本人の精神衛生的にも)無用な争いは避けるのが賢明でしょう。
同じ地球人に対して地球外で危害を加えた場合は、発覚すれば罰されます。
ただし、正当防衛は適用されます。

ある程度の文明を持った異星人間での争いが複雑化した場合、“外交問題”と認定され、
地球主要国の高官などが直接出向く事態にまで陥ることもあります。

地球の犯罪者が地球外に逃げていた場合、国際連合捜査局が地球外での逮捕権を持っています。
もしそういった者を見つけたり、捕まえたら、国連捜査局に連絡するとよいでしょう。

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