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◆亜存在

概要


 英表記はSub-existence。亜存在とはその和訳である。
 数は少ないながらも、世界中のありとあらゆる場所に突然発生する『魔物』。人間に対して攻撃的な性質を持ち、ほとんどの物理的な攻撃が通用しない。攻撃意思を持って触れられたものは、削り取られたように消滅してしまう。
 この亜存在の駆除と研究を専門に行っているのが薔薇十字団である。

 黒い半透明の揺らぎのような『暗黒体(エニグマ)』と、より複雑な(人間の姿のような)形骸を持つ『刻印体(スティグマ)』に大きく分類される。
 暗黒体よりは刻印体の方が知性が高く、強力な傾向にある。
 また、暗黒体は金切り声のような鳴き声をあげることがある程度だが、刻印体は人類の言語を解するような素振りを見せる(多くの場合は支離滅裂だが)。

 それまでの経験から、恐らく『虚数領域に本体を置く存在』ではないかと考えられており、視認可能な物理的な肉体は、実数領域の存在に干渉するために形成される仮初の形骸と思われる。
 形骸の構成物質は不明である。様々なレーダーシステムを用いて調査した結果、確実に『視認』は可能なはずのそれが、物質的には『何も存在していない』かのような探査結果を返すことが判明している。――具体的に言うと、周囲の空気と同様に振る舞い、『光すら貫通する』。故に本当は視えていること自体がおかしい。

 亜存在を消滅させることができる唯一の武器は『感情』である。
 恐らく虚数領域に『核』となる本体があるため、『殺意』などの強い指向性を持つ感情をアストラル体に伝達・振動させ、何らかの武器によって形骸を破損させながら、その感情の振動波を注ぎ込むことで、まるで小さな波がより大きな波に掻き消されてしてしまうように、消滅せしめることができる。
 ただし、一度の攻撃だけで完全消滅させることができるとは限らない。多くの場合、繰り返し『感情』を叩き込むことで少しずつ弱らせることが必要。
 感覚的に理解しやすいように言えば、武器攻撃を介して伝える感情の強さに応じた『ダメージ』を伝達することができ、『HP』を削りきったら消滅させられるような感覚。

 有史以来、それらしき現象は散発的に発生していた可能性があるが、それらは恐らく『神隠し』や『悪魔』『悪霊』などの宗教的怪異として様々に解釈されており、無視できなくなったのは近代以降、国家政府が国民を正確に管理・保護しようと試みるようになってからの話である。なお、明確に亜存在のことを記した記録として残っているのは、クリスチャン・ローゼンクロイツが薔薇十字団を設立した際のものが最も古い。(伝承では彼の生没年は14世紀〜15世紀ごろだが、実際に薔薇十字団が設立されたのは16世紀末である。宗教改革のどさくさに紛れてハプスブルク家の協力を得て水面下で活動していた)


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