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◆エナ・フルルティシュトン

種族
亜人種
分類
ラグァウラス
性別
年齢
17歳→22歳
身長
139cm
体重
34kg
出身
アーデルクラム
髪色
瞳色
体力
魔力
攻撃
防御
機動
発想

 『とんがり耳』のアルフェイム人。アーデルクラム王国北東部の農村、チェド村の出身。
 転移被害者である冴羽梨緒を村まで運んで治療し、しばらく共に暮らすも、魔国ベネギアの侵攻によって故郷を失う。確認できる生存者は彼女一人であった。
 初登場時は十七歳。その後五年間の時を経て、紫音と出会った時には二十二歳となる。ただし種族的特徴として、外見は人間で言う十三〜十五歳程度のものに相当する。

 元々は無邪気で偏見なく人と接し、明るい笑顔が取り柄の愛らしい少女であったが、村を滅ぼされて以降はシビアな考え方をするようになる。他のすべてを犠牲にして一人残された生命に重い責任を感じ、他に何も頼れるものがない社会で路上を這いずってでも生き延びた結果である。その過程で幾度となく危険な目にも遭っており、野生動物めいた警戒心を持つ。紫音に赦されて張り詰めた気持ちがほんの僅かに解けるまで、友達と呼べるものは一人も居なかった。
 『もっと自分に力があれば、打てる手を打っていれば、未然に防げた悲劇があったかもしれない』という観念に囚われており、物事には十全な手を尽くさずにはいられない性格。魔法技術の鍛錬に余念がなく、日々のわずかな時間にも修行を重ねることによって、独学にしては非常に強力な操作技術を身に付けている。元々の才能や潜ってきた修羅場の数が違うフィーネやミルトほどではないが、並大抵の魔法使いが十人束になっても敵わないほどの逸材となった。
 作中でも何度か述べているが、アルフェイム界にとって魔法技術は身近なもので、それだけに物珍しさから積極的に鍛えようとするものでもなく、感覚的には『日常生活に必要な範疇を超えて異様に筋肉を鍛えている』状態に近い。純粋な強さに憧憬を抱かれることはあれど、強すぎる力と意志は畏怖の対象となることの方が多く、見た感じの可愛らしさに反してあまり女性として好意を向けられることはない。
 とは言え本人は『では可愛く振る舞えば誰かの生命は救えるのか?』というスタンスで、(人を救うために身に付けた力が忌避されることを不服には思っているが)あまり気にしてはいないようだ。

 先述の通り、梨緒の死を紫音に赦されたその瞬間から、彼女はやっと肩の荷が下りたかのように自分の人生を歩み始める。似たような慰めの言葉は幾度となくかけられていたが、その赦しを本当に与えられる立場にありそうな者は他にいなかったからである。
 とは言え彼への引け目を即座に捨てきれるわけもなく、それからは紫音に半ば執着するように世話を焼き、要請に応じて協力することを惜しまなかった。背後に梨緒の面影を通し見るかのような態度は、そのうちに彼自身への感情に変化してゆく。
 魔法技術のさらなる強化のためにも、物理学者である彼の知識は役立っているようだ。

 年齢の近い女性として、真輝那とはよく話す。事情は違えど、一人故郷から引き離された者同士というシンパシーもあるのだろう。
 主な話題は取り留めのない日常やお互いの恋の話などが多くを占めるが、突然、より効率的に生命体に致命傷を与える方法について意見を聞いたりし始めるので、時々テーブルの雰囲気がよくわからない方向に傾く。

 フィーネやミルトと知り合ってからは、短い時間だが彼女らの実戦の中で進化してきた魔法戦闘術に感銘を受け、教示を受ける。
 特に魔国の王女であるフィーネについては当初こそ強く警戒していたが、戦争に積極的だった当時の魔王を殺害して国内を混乱させ、戦の気運を削いだ張本人であると知ってからは、緩やかに警戒を解いていった。そもそも『魔人達も同じ人族の一種であり、いろいろな個体がいる』ということを彼女を見て初めて実感したため、魔人全体に対する差別感情も、その時期から僅かずつ薄らいでいる。



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