|
ある時代、ある場所のこと。北風さんと太陽さんがおりました。 二人(っていうかもうなんて単位で呼べばいいのかわからないけど面倒なので二人)はとても仲良しでしたが、お互いに重度の勝負好きなのでした……。 「やァ北風さん」 「やァ太陽さん」 「いやぁ、一天文単位離れたアナタとこうして話せる日が来るとはね」 「昔の人にとっては空にあるものなら皆同じだったんですよ」 「おや、そこに旅人がいるじゃあないか」 「そうだねぇ」 「どうだい北風さん、一勝負しないかね」 「と、言うと?」 「あの旅人の服を脱がした方が勝ちさ」 「エロいな」 「いや待て奴は男だ」 「ウホッ」 「違うよ。全然違うよ」 「まぁいいです、乗りましょう。お先にどうぞ太陽さん」 「では、太陽光をくらえ!」 「うぉっまぶし」 「効いてる効いてr」 「俺のターン! 速攻魔法サイクロンを発動!」 「あ」 「カードを一枚場に伏せ、ターンエンド! 君のターンだ城之内くん」 「くっ、なかなかやるじゃないか城之内くん」 「君のおかげさ城之内くん」 「よーし行くぜ城之内くん! ドロー!」 「俺のターン!」 「まだ俺のターンだ!」 「血 管 針 攻 撃 !!」 「させるかァ、太陽の波紋ーッ!」 「なにィ!」 「フン、これで終わりだ、魔人滅焼炎! 闇の炎に抱かれて馬鹿なっ」 「まだあわてるような時間じゃない」 「お前このやろう」 「俺のターン!」 「俺もターン!」 「マジで!?」 「引っかかったな、今度こそ終わりだ! メギドの炎よー!」 「た、旅人ごと焼き払ったァー!?」 「身体が消滅してしまえば服を着てはいられまい、俺の勝ちだーッ!」 「フッ、何カン違いしてるんだ、この蟲野郎!」 「何!?」 「マジックカード、ハリケーン発動!」 「ああっ、風圧で全てが薙ぎ払われてゆく!」 「ハハハ、見ろ! ひとがごみのようだ!」 「もうやめてー!」 「HA☆NA☆SE!」 「遊戯、旅人のライフはとっくにゼロよ! もう勝負はついたのよー!」 「やだぴょん☆」 「てめえらの血は、なに色だーっ!」 「ひでぶ」 「まいったか」 「殴ったね! 親父にもぶたれたこと無いのに!」 「まいってないだと! 旅人が消えてしまった今、私は賭けるしかないと言うことか!」 「ざわ…… ざわ……」 「ささやき―えいしょう―いのり―ねんじろ!」 「がっ……! 駄目っ……!」 「ワイがアホやってん……」 「全滅……なんと聞こえのいい言葉か――!」 「ううむ、先に脱がしたのは私なのだが、証拠が消し飛んでしまったからな……」 「灰を吹き飛ばしたのは私なのだから、私が脱がしたとも言えるんじゃないかな」 「もぉー、ズルいぞコイツぅー!」 「うふふ、つかまえてごらんなさーい」 「アハハハハ」 「ウフフフフ」 こうして人類は滅亡した。 めでたしめでたし。 |